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Memory of Night 2
第20章 秘密のお薬
翌日。二泊三日の旅行を終え、宵と晃がアパートに帰ったのは夜の八時すぎだった。
あのあとコンビニでお菓子やらジュースを買い、部屋に戻ると明と大山は窓に貼ったガムテープを剥がし、ベタつきをアルコールで拭き取る作業をしていた。
「……付き合って最初にすることか?」
と呆れ顔の宵。
「初めての共同作業だね」
と隣で晃も笑う。
宵たちも手伝い、そのあとは遅くまで、買ってきたお菓子やジュースを飲み食いしながら深夜まで話していた。
そして、今日である。それぞれ疲れがまだ残っていたのもあり、結局昼過ぎまでだらだらと過ごし、明と叔母で調理した魚料理を満喫し、帰ってきたのだった。
「海らしいことしたの、最初の日だけだったね」
ソファーに腰掛け、晃が言った。
それも魚突きというだいぶマニアックな遊びのみ。
「……さすがにもう、しばらくは海入りたくねーや」
「まあ、だろうね」
「でも毎日新鮮な魚料理食べられたし、楽しかったよ」
「かなり贅沢させてもらったよね」
晃も頷く。
残りの魚は民宿の冷凍庫に置いてきた。分けて、冷凍便で送ろうかと叔母は提案してくれたが、毎日魚料理を作ってくれてたので充分満足だったし、二泊も泊めてもらったささやかな礼も込めてそのまま残してきたのだった。
ふいに晃に頬を撫でられる。体温が伝わりそうなくらい近くに座るのも、どちらかの体に触れるのも、ずいぶんと久しぶりに思えた。
「俺にしては、だいぶ我慢した方だろう?」
「……我慢? 何を?」
宵は怪訝な顔で首をかしげる。その瞬間、肩を掴まれソファーに押し倒されていた。
「ちょ、晃……っ」
宵は咎めるような声をあげた。