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Memory of Night 2
第21章 宣伝用ポスター

予想もしていない衝撃的な告白をされ、自然と声のボリュームも上がる。
「たった今電話で」
「だってあいつ今日予備校じゃ……」
「ああ、だから出ないんだな。留守電に入れておいたから大丈夫」
「大丈夫なわけねーだろ、留守電なんて一方的に話して終わりじゃねーかよ! ふざけんな、また余計な挑発して怒らせたら……」
その瞬間だった。宵のスマホが突然鳴り出し、飛び上がりそうになった。
ポケットから取り出し画面を確認したところで凍り付く。
着信は晃からだった。
「あ、早速来たな。ーー出ないの?」
「…………」
怖くて出られなかった。春加は留守電にどう入れたのか。
「あ、切れた」
隣から覗き込んできた亮が呟く。
だがすぐにもう一度着信がきて、ついついスマホを投げ捨てたくなってしまう。
晃から、連続で着信は珍しい。怒ってる時くらいだ。
(って、やっぱ怒ってんじゃん)
無視し続けて店に電話してこられたり乗り込んでこられても嫌なので、電話に出る以外の選択肢はなかった。
「……もしもし」
応答するを押し、おそるおそる耳に当てるとやはり晃の声は低かった。
「バイト中?」
「……うん」
ついつい返答もぎこちなくなる。晃は単刀直入に先程留守電に入れたであろう話題に触れてきた。

