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Memory of Night 2
第21章 宣伝用ポスター

宵が断れないよう、詳細を話す前に周りから固めていく春加のやり方は、やはり気にくわなかった。
「そーんな不機嫌そうな顔するなって。土産いっぱい作ったからさ」
そうして車の後ろにある赤い紙袋をちらりと一瞥する春加。
余った食材で、まかないを作ってくれたらしい。確かに春加が積極的に調理場にとどまるのは珍しかったが。
「食いもんで釣ろうとすんな。つか晃に勝手に電話すんのだけはやめろ、そのあとが大変なんだよ」
春加からしたら軽いちょっかい程度のつもりかもしれないが、その皺寄せは宵にくる。
前の時もそうだ。ドライブに連れまわされ、車酔いで二人のそばを離れた隙に、晃を挑発するようなことを言われた。
ふと春加は口許に笑みを乗せた。
「へいへい」
ふざけた返事にむっとするも、指摘する前に車は宵が住むアパートに到着した。
「奥から二番目の駐車場に停めて。そこが借りてるとこだから」
「駐車場? 晃と二人で住んでるんだろ? 高校生なのになんで駐車場なんか借りてんの?」
「もともとここ、し……」
つい癖で名前で呼びそうになり、口をつぐむ。春加に志穂が誰なのか突っ込まれても面倒だ。

