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Memory of Night 2
第22章 交渉

「ホラーは音でかい方が盛り上がるじゃん」
「……盛り上がる前に近所迷惑なんだよ」
そこで晃に気付き、宵は顔をあげた。
「あ、おかえり」
「おかえり、勉強お疲れちゃん」
「……ただいま。このテーブルに並べられてるものは?」
晃は視線を下げ、思わず額に手を当てていた。
テーブルには揚げ物や飲み物が乱雑に並べられていたが、その飲み物が一番の問題だった。
「何って、まかないと酒。晃も食え、全部あたしが作ったんだ」
見ればわかるだろ、と言わんばかりに春加が答える。
「ハル姉車でしょ? どうやって帰るつもり?」
すでに三六〇の缶ビールが二本空いている。コップに注がれた茶色い液体は、おそらくウイスキー。
晃は無言でソファーの端に座る宵を睨んだ。
宵はびくっと肩をすくめる。
「……ちょっと目を離した隙に、なんか飲み出してて」
「へー。てっきり泊める気で呼んだのかと思った」
「そんなわけねーだろ」
もう一つ不審に思うのは、春加の格好だ。髪は濡れていて、顔もまるで別人のよう。どうやらすっぴんらしく、目の周りのアイラインがなかった。それに服装もいつもと違う。薄い生地の黄色い花柄のズボンと白いグレーのティーシャツは仕事帰りというより寝巻きのようだった。

