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Memory of Night 2
第23章 墓参り

そんなふうに言われたことはなく、宵は驚いて言葉に詰まる。
実の母親の桃華とは、幾度となく言われてきたけれど。外見や体質、性格も、血縁の中で、色濃く受け継いでいるものは多い。親子なのだから、当然だと思っていた。
逆に志穂とは血の繋がりがなく、外見や性格も、似ている部分なんて一つもないと思っていた。
だからこそ、そういう部分を見つけてくれたことがくすぐったくもあり、嬉しかった。
「……八年も一緒に暮らしてたからなあ。血が繋がってなくても、似てくるもんなのかねー」
「そりゃ、一緒に生活してたらね。ほら、犬とか猫も飼い主に似るって言わない?」
「ペットと人間はちょっと違くね? 犬や猫と一緒にすんなよな」
晃は笑った。
ようやく無人駅が見えてきた。
晃が前を歩き、そのあとを追って改札を抜けようとしたところで、何かに呼ばれたような気がして宵は立ち止まる。
振り向くと、燦々と陽射しが照っている。
両親に会いに行ったこと、感謝されているような気もするし、もっと来いとたしなめられているような気もした。
「ーーまた来るよ」
小さく呟いて、宵は改札を抜けた。
そうして二人で、電車に乗り込み、住み慣れた町へと帰って行った。

