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Memory of Night 2
第27章 コンセプト

誤解も解け、ようやく四人は本題へと移った。
先ほどのトートバックから取り出していたクリアファイルの中をめくり、春加が改めて何枚かの紙をテーブルに並べた。
「んじゃ、改めて詳細を説明するな。まず日にちだけど、十二月二九日から三一日までの三日間だ」
「マジで年末じゃん」
「場所は?」
「ーー」
春加がそこを告げると、沈黙が流れる。
おもいきり東北だった。
宵と晃は二人で顔を見合わせ、スマホで地名を調べる。山、というだけあって、聞いたことのない場所だった。
例えば県庁所在地や観光名所という感じでもないらしい。
「いや、ここって」
「ずいぶん雪が降る地域みたいだけど?」
ほぼ同時に検索は終了し、晃が自分のスマホを春加に向かってテーブルに置いた。
「おまけに周り、店や住宅もない」
「そりゃ、土方さんの別宅だからね。避暑地として利用するつもりで建てた場所らしいから、寒い地域なのは仕方がないでしょ」
「別宅とはいえ、なんつー辺鄙な場所に建ててんだよ、あのおっさん。マジで金持ちの考えることはわかんねー」
「当日は電車で別宅の最寄り駅まで行って、そこからは土方さんが手配してくれるバスで行くから。駅にさえ集合してくれればいい。もちろん旅費はこっち持ち。時間もあとで決めて、連絡する。ーーはい、質問は?」

