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Memory of Night 2
第27章 コンセプト

春加の賄いは、種類も豊富で量も多かった。
オムライス、野菜痛め、唐揚げやポテトなどの揚げ物やチャーハンなど。
消費期限の切れたものや近いものを使った料理がほとんどで、揚げ物などは単純に客に出した余りだという。
「あたし、エコだから。どうせ捨てるんだったら、賄い飯として食われた方が食材ちゃん達も喜ぶだろ。あ、酒はちゃんと買ったものなので、給料天引きはなしえすよ」
きっと下から隣に座ったマスターの亮を睨み付ける。
亮はもぐもぐとオムライスを頬張りながら、頷いた。
先ほどまでは春加と宵がソファの端と端に座っていたが、賄いを温めるタイミングで宵は亮にソファーを譲った。
亮が座っていた座椅子に腰を下ろし、春加に視線を向ける。
(食材ちゃん達?)
その言いまわしもおかしいが、春加は先ほどから心なしか呂律がまわってないような気がする。そちらの方が気になった。
ガバガバと尋常じゃないペースで飲み続けているのだ、いくらアルコールに強いと言っても限度ってものがあるのでは、と思う。
「飲んでばっかいないで、食えよ料理」
「いらーん!」
「あーもうでかいって、声」
深夜に騒ぐのは勘弁してほしい。防音ではないのだ。
今まで近隣の部屋の住民から苦情を言われたことはないが、そもそも人をほぼ呼ばないし、もっと早い時間に志穂や弘行が来るくらいなので騒ぐこと自体があまりなかった。

