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Memory of Night 2
第27章 コンセプト

「ーーどうかな? 一通り話し終えたつもりだけど、わからないこととか聞いておきたいことはある?」
宵と晃は顔を見合わせ、首を振る。
亮の話は要点がまとめられ、とてもわかりやすかった。
「良かった。改めて聞くけど、引き受けてくれる?」
「はい」
「晃くんも、大丈夫?」
「ええ」
「二人ともありがとう」
亮は宵と晃一人一人に、丁寧に頭を下げた。
本当に、いつも横暴で雑な春加とは真逆の対応であった。
ポスター撮影に関しての詳細を説明する、という目的は果たせたらしい。
「ーーじゃあ、僕達はこれで。ずいぶん遅くまでかかっちゃって申し訳ない。ハルちゃん、帰るよ」
だが春加は無視してウイスキーを飲んでいる。いつの間に注いだのか、コップの七割くらいまで琥珀色の液体があった。
「飲み過ぎじゃね? それ何杯目?」
「忘れた」
「忘れたって……」
宵はため息をつきつつも、立ち上がった。
それから春加ではなく、亮に視線を向け尋ねる。
「良かったら、春加さんが作ってくれた賄い、食べていきますか? 晃と二人じゃ食べきれないんで」
「いいのかい? じゃあ、お言葉に甘えて。実はお腹ぺこぺこなんだ」
店が落ち着くまで営業にまわり、そのままここへ来たようなので、何も食べていないのだろう。
宵は賄いを温めにキッチンへと向かった。

