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Memory of Night 2
第30章 花魁ショー

それから持っていた大ジョッキを宵に差し出す。半分ほどコーラは残っていた。ごめんね、全部飲みきれなかったけど、と申し訳なさそうに言われたが、そもそも大ジョッキで持っていったこと自体が嫌がらせなので飲めなくて当然とは思う。
宵はつい笑ってしまった。
晃は宵の耳元に唇を寄せ、忠告するように囁いた。
「俺以外に、触らせちゃダメだよ。もし約束破ったら、君の小指もらうよ」
「……だから発言が怖いって。なんだよ小指貰うって。貰ってどうすんだ」
「飾る」
「マジでそれサイコパスの発想なんだよ」
晃の言葉は冗談に聞こえないのだ。本当に、独占欲丸出し過ぎて背筋がぞわっとしてしまう。
結局ショーの後半から、小指はずっと繋いだままだった。なんとなく。
晃はそのまま予備校へと戻っていった。
宵が再びサービスドリンクをキッチンで作り配る仕事に戻ると、衣装を着替え終えたアメリアがフロアを回り、客達に挨拶していた。
髪型こそアップにしたままだが、服装は着替えている。今まで着物姿しか見たことなかったが、疲れたのか、珍しく洋装だった。
紺のシャツにジーンズというラフなものだが、これはこれでよく似合っている。

