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Memory of Night 2
第33章 撮影旅行前夜

なんだかんだでどうせ開かない気がした。
宵も第一志望の大学は、一応B判定をキープしていた。学費の安さもあるしできることなら公立に合格したいが、落ちたらまあしょうがない、くらいのモチベーションである。
二人は詰めた荷物をリビングのソファ横に起き、晃はお待ちかね、とでも言うように宵の唇にキスをした。
「……三日もできなくなっちゃうし、今日はいっぱい愛し合いたいなあ」
「たった三日だろ?」
甘えるように抱きついてくる晃に、宵はつい照れ隠しのようなつっけんどんな言葉を返してしまった。
でも実際、三日はそこまで長くない、最近だとお互い勉強やバイトで忙しく、なかなか夜の営みも減っていた。今週は一度もしていないかもしれない。
「ごめんね、ご無沙汰になっちゃって……俺の、欲しい?」
「……っ」
舌でねっとりと耳を舐められ、宵は思わず息を詰めた。確かに一週間ぶりなせいかすぐ火がつきそうだった。
今日はバイトは休みにしてくれていた。明日は八時に指定された駅に集合し、そこから新幹線で行くらしい。
夕飯も風呂も早めに済ませたしたった今明日の荷物も準備できたので、ゆっくりと愛し合える。
そう思った瞬間だった。

