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Memory of Night 2
第34章 衣装合わせ

食事と聞いて、スタッフ達の顔も綻ぶ。長旅で、すでに十二時をまわっていた。もちろんお腹も空いていた。
「ここは広いから、迷いやすい。簡単な見取り図を渡しておくよ。申し訳ないが、部屋は二人ずつ使っておくれ。一人一部屋だとさすがに足りなくなってしまうのでね」
「二人ずつでも充分すごいですよ」
屋敷全体の間取りが書かれたB5サイズの紙と、番号が書かれた小さな紙が配られる。
「食堂は一階のここだから」
「はーい」
土方に指で示され、皆頷く。
見取り図には部屋の名前や、番号が書かれていた。みんな配られた紙を見ながら各々散っていった。
大広間には二階に上がる階段があり、ほとんどのスタッフ達がのぼっていく。見取り図を見る限り、特別な用途のない部屋はほとんどが二階らしい。あまりの部屋数に、ホテルかよ、と突っ込みたくなってしまう。
「宵、何番?」
「22。あれ、一緒じゃねーの?」
「俺は27」
廊下にも大広間と同じような赤いカーペットが敷かれていた。
長い廊下の途中にも、いろいろな置物がある。ホテルよりかは部屋の大きさやドアから隣のドアまでの間隔、内装や調度品にも統一性がなく、人が住んでいるという生活感みたいなものもあった。

