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Memory of Night 2
第34章 衣装合わせ

「ーーえ、あんたなの? 同室の相手」
「……ぽいな」
ようやく自分の番号のプレートを見つけ、ドアを開けると、丸テーブルの椅子に腰掛けている春加の姿があった。
「そこにダイヤル式の小さな金庫が二つあったよ。貴重品はそこに入れな」
春加の指差す先には、確かにそれらしきものがあった。
部屋は十畳くらいあるだろうか。高級そうな絨毯に、西洋風のテーブルやソファー、ベッド。だいぶ豪華な感じだった。小さな冷蔵庫やレンジもあり、本当にホテルのようだ。
「……あんたじゃないんだ、部屋割り決めたの」
春加は無言で首を振る。
「あたしじゃないよ。もしあたしが決めるなら、おまえと晃を別の部屋にするわけないだろ? わざわざ頼んで来てもらってるんだし、そんな意地悪しない。晃も来れば? って最初に誘ったのもこっちだし」
「だよなあ。部屋が誰とでと俺は別にいいけど。じゃ誰なんだろ? 部屋割決めたの」
「普通じゃないことをして面白がるのが好きなやつなんて、そんな何人もいないだろ。まあ、いーや。晃はともかく、どうせおまえは忙しくて、寝るとき以外にこの部屋で過ごすことなんかほとんどないだろうしな」
宵がげ、とあからさまに嫌そうな顔をする。

