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Memory of Night 2
第7章 緊縛イベント

(てか距離近すぎじゃね?)
女の背後に晃は立っていた。晃の右手が女の腰に巻かれ、頬に息がかかりそうなほど近くで何かを話していた。晃の視線は完全に露出した女性の目元に注がれている。
うっとりとした眼差しで、女も晃を見つめ返していた。
二人がまるで、親密な恋人同士のような距離感に見えて、宵の中でちくりと何かが痛む。
晃が声をかけられたのは知っている。だからって、まんざらでもなさそうなのが酷くむかついた。
晃の左手が、女の肩に触れた。右手は腰のまま、まるで女を抱きすくめているような格好に、宵は思わず視線をそらした。
その時不意に照明が明るくなった。どうやら真ん中のスペースだけ、明るさが増したようだ。そのまま赤い縄を首にかけられる。
男の説明なんて何一つ頭に入っていなかったが、緊縛が始まるらしい。
「亀甲縛りはまず、二つに折った縄を首にかけます。左右均等になるように、長さはしっかり調整してください。縄が長い場合は二重にしーー」
「待ってください……っ」
その時だった。土方の説明を遮り、誰かが割って入ってくる。
驚いたことに、それは晃を指名していた露出しすぎなあの女だった。
宵も土方もぽかんと女の顔を見つめる。何事なのか意味がわからなかった。

