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Memory of Night 2
第7章 緊縛イベント

「ふ、んん……」
右手で顎を捉えられ、深く合わせた唇から進入してくる肉厚な舌。
いつになく乱暴なキスだった。それでも唇や口腔を刺激されれば、条件反射のように体に力が入らなくなる。触れている部分だけ、体温が上昇していくみたいに熱かった。
晃の手が下肢に伸びてきて、ぼーっとしかけていた宵は我に返る。
「や……めろって……」
拒否した声は掠れていた。
ようやく唇を離した晃の目は、鋭かった。
「ーードリンクや料理を運ぶだけって、この前言ってなかった? あの緊縛イベントに出るなんて話も俺は聞いてない」
「あれは……」
あれは本当に突然、しかも勝手に決められたことなのだ。
宵の言葉を遮り、晃は続ける。
「知らなかったにしろ、断ることもできただろう? それともイベント自体知らないふりしてただけで、最初から出るつもりだった?」
晃の口調は淡々としていた。トーンも変えず質問ばかりされると、まるで尋問でも受けているような気がしてくるから不思議だ。
さらに晃は先程の言葉を繰り返した。
「ーー俺は宵が俺以外の誰かに欲情したり興奮するのは嫌だ。もちろん、触られたり、緊縛ショーに出るのも」
「……ごめん」

