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Memory of Night 2
第7章 緊縛イベント

「そういえば、宵は夕飯食べれたの?」
「うん、厨房(なか)でちょこちょこつまんでたから平気」
「じゃあ……」
二人がアパートに着いたのは九時少し前だった。
上着を脱ぐなり口付けてこようとする晃の唇を手の平で塞ぎ、宵は短く抗議する。
「……先シャワー」
「えー」
「おまえ、紅茶みたいな匂いがする」
「ああ」
晃は苦笑した。紅茶みたいな、というところに思い当たるものがあったからだ。
あの露出した女性から漂っていたお香らしき匂い。それが確か紅茶のようだった。密着した時に、匂いが移ってしまったのかもしれない。
本当はすぐにでも宵を寝室に連れ込みたかったけれど、他の女性の匂いを付けたまま愛し合うのには抵抗がある。
「一緒に入る?」
「……やだ、狭い」
狭いし、せがまれて一緒に入った時は結局浴室で一回戦始まってしまうことがほとんどだ。
浴室の壁は薄く、周りの部屋にも声が漏れやすい。
結局別々で入ることになり、晃と宵は順番にシャワーを浴びた。
宵が髪を拭きながら部屋に戻ると、そこに晃はいない。すでに寝室のベッドに腰掛け、スマホをいじっていた。
「おいで。髪乾かしてあげる」

