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玉蘭花の香り
第5章 もっと近くへ
大きな紙袋に入っていたのは、
中国風のテイストが少し入ったワンピースだった。

生地はシルクのシャンタンに美しく繊細な刺繍がされたもので、
裾のスリットは控えめな淡い水色の軽い着心地だった。

サイズもぴったりで、露出も少なく慎み深い雰囲気で、
派手さはないが上品な逸品だということが判った。

中国系の名前がタグとして縫い付けてあったが、
その女性のデザイナー名は、聞いたことがあるような気がした。

刺繍された布製のサンダルも同じデザインのものが2足入っていたので、サイズが合う方を履いた。


髪はいくつかあるアクセサリーの中から黒檀のお箸のようなスティックを手に取り、シニヨン風に纏めてスティック1本で留めてみた。


スタッフの方を呼んで、
「これでおかしくないですか?」と訊くと、

「とてもお綺麗です」と言われた。



施術を受けた部屋の外に出ると、
ロンのお父様が、

「おお。美香さん、お綺麗だ」と言って、
手を引いてエスコートしてお茶を頂ける応接室に連れて行ってくれた。
ヒールがあるサンダルだったので、気遣ってくれたようだった。

「服のサイズは何となく判ったけど、
靴までは判らなくてね」と笑った。



「あの…こちらは?」と言うと、

「私には娘が居なくてね。
プレゼントしたくて、選んできました。
気に入って頂けましたか?」と言われて、

「なんてお礼を申し上げたら良いのか。
ありがとうございます」と言うのが精一杯だった。


「美香さんは、何を着ても似合いそうだ。
その色も、肌が白いから美しい」と褒められて、赤面してしまった。


「早くロンにも見せたいね」と言って、ウィンクする顔が、
悪戯っぽくて、笑ってしまった。


「では、お茶を淹れて貰おうかな?」と言うので、

「お茶請けにこちらをどうぞ」とドライフルーツを出すと、

「美香さんは美味しいモノを良く知ってるね」と優しく笑った。


「台湾は美食の宝庫ですわ。
ここに居たら太ってしまいそうです」と言うと、

「美香さんはもっとふくよかになっても美しいと思いますよ」と言った。


「さて、文山包種でも飲みましょうか?」とお茶をご用意くださるのを待って、
蓋碗で丁寧に淹れると、

「うん。とても美味しい」と喜んでくださった。

この日は、ロンのお父様が日本に留学していた頃のお話を伺って過ごした。
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