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玉蘭花の香り
第10章 2つの結婚式

披露宴の翌日、ロンの一族を仙台の実家に案内した。
古いばかりで…と父が謙遜する実家は、
敷地内に茶室がある日本家屋だ。
庭師が2人、常に庭園や茶庭を整えている静かな佇まいで、
いつ帰ってもホッとする。
敷地の中には母方の祖父母の住う家もある。
高い教育をと受験をして、
中学生から都内の父方の祖父母の処に弟も私も住んでいたが、
いつも帰りたくなる故郷だった。
「せっかくだから」と、
茶室で私がお点前をして薄茶をロンの家族に振る舞った。
母が、半東さんで補佐をしながら、
にこやかに英語で説明をする。
床の間に生けた庭から摘んだ草花のことや、
お香の話などは、
ロンのお祖父様が特にあれこれ質問をしては、頷いていた。
別室で、おままごとのような小さな茶器を使って、
玉露も淹れた。
煎茶道のお点前は、
抹茶とはまた、違った処もあるが、
お道具は中国の茶器のようだとロンのお父様は興味を持っていた。
「小さな茶碗は、中国の古い時代のものです」と母が説明すると、
「家でも飲みたい」とロンのお父様が言うので、
帰りにたくさんの茶葉と茶道具を持たされた。
本宅のリビングでは、
ロンのお父様が手土産にと持参した台湾の梨山のお茶を私が淹れて、
月餅をいただいた。
仕事の関係でそんなに休めないということもあり、
翌日には台湾に戻った。
学校の長い休みの時に、
2人のお祖母様達をもっとゆっくり、日本を案内したいと思いながら飛行機に乗った。
日本も台湾も行ってない処ばかりで、
ロンと2人でのんびり旅行するのも楽しみだと、
台湾から戻ってからも、ロンとそんな話をしていたのだった。
古いばかりで…と父が謙遜する実家は、
敷地内に茶室がある日本家屋だ。
庭師が2人、常に庭園や茶庭を整えている静かな佇まいで、
いつ帰ってもホッとする。
敷地の中には母方の祖父母の住う家もある。
高い教育をと受験をして、
中学生から都内の父方の祖父母の処に弟も私も住んでいたが、
いつも帰りたくなる故郷だった。
「せっかくだから」と、
茶室で私がお点前をして薄茶をロンの家族に振る舞った。
母が、半東さんで補佐をしながら、
にこやかに英語で説明をする。
床の間に生けた庭から摘んだ草花のことや、
お香の話などは、
ロンのお祖父様が特にあれこれ質問をしては、頷いていた。
別室で、おままごとのような小さな茶器を使って、
玉露も淹れた。
煎茶道のお点前は、
抹茶とはまた、違った処もあるが、
お道具は中国の茶器のようだとロンのお父様は興味を持っていた。
「小さな茶碗は、中国の古い時代のものです」と母が説明すると、
「家でも飲みたい」とロンのお父様が言うので、
帰りにたくさんの茶葉と茶道具を持たされた。
本宅のリビングでは、
ロンのお父様が手土産にと持参した台湾の梨山のお茶を私が淹れて、
月餅をいただいた。
仕事の関係でそんなに休めないということもあり、
翌日には台湾に戻った。
学校の長い休みの時に、
2人のお祖母様達をもっとゆっくり、日本を案内したいと思いながら飛行機に乗った。
日本も台湾も行ってない処ばかりで、
ロンと2人でのんびり旅行するのも楽しみだと、
台湾から戻ってからも、ロンとそんな話をしていたのだった。

