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訪問 パティシエSana
第2章 官能の扉
 うーんと伸びをして女が目を開けて、はっとして起き上がろうと首をもたげたてきたのを抱きかかえて強く唇を吸った。女はもがいて離れようとしたが、自分が電動歯ブラシを握っているのに吃驚して慌てて手を振りほどいた。それは畳の上に転がって鈍い音を立てている。スエットのパンツを引っ張り上げて局所と陰毛を隠すと女は慌てて尻を浮かせて腰まで履いた。ショーツは丸めて尻に引いて隠した。上着も腰まで降ろして中に手を入れて素早くブラをさげ、そして座り直した。
 電動歯ブラシを拾って、電源を止めて女に渡すと素直に受け取って見つめている。そして言った。
「そっちも服、着てください。」
「おお、そうだね。今着る。」と返事をして女の後ろ側に回って脱ぎ捨ててあった服を集めて着た。ズボンのチャックを上げながら言った。
「変なのはもうPCから出ないようにしておいた。」
「・・・・」
「作業はおわったのでサインを貰って帰ります」
「・・・・」
 お互いに目を合わさないようにして、何事も無かったふりをした。書類のサインの箇所を指さすと女は素直にサインをした。女には一定の距離を取って事にあたった。
帰ろうと立ち上がると女は見上げて涙目で、
「こんなことになるとは思ってなかった。よく平気で帰れるわね。」と言った。
「平気なわけないよ。・・・」
 もう一度しゃがむと、女の顎先を掴んで
「いい女で、最高。自身もっていいよ。後ろ髪惹かれるけど、帰る」と言ってドアに向かった。そのまま、靴も突っかけたままでドアを開けて外に出た、ドアを閉めると同時にガシャンと激しい音がした。持っていた電動歯ブラシを女が投げつけたのだ。

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