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絶対的下僕の末路
第6章 【Another story】
「沙羅ちゃん、学会で何かあった?」
「だから何もないって…早く帰ろ?」
手早くシャットダウンさせたら再び抱き寄せてきて。
「口説かれた?わかった、どこ触られたの?ここ?」
「ちょ、落ち着いて伊織、そんなんじゃないって」
「大丈夫、身体に聞くから」
チクンと首筋につけてきたキスマーク。
首はダメだって言ってあるのに伊織を怒らせたか。
抵抗もさせてもらえない。
押さえつけられた手は簡単に解けない。
器用に片手でボタンを外していく。
脚の間に脚を挟んできて身動き取れなくさせる。
こうなると止められないのが近頃の伊織だ。
「伊織……違うってば、本当に何もされてない、全部断った」
「ほら、口説かれてる……言わんこっちゃない」
え、墓穴…?この私が!?
違う違う、どうすれば伝わる?
「結婚してるって伝えてるし、指輪だって外してないよ?ねぇ、私の事疑ってんの?本気で怒るよ?」
低い声だから手が止まった。
「昨日一日ずっと我慢してたんだよ?沙羅ちゃんが想ってるよりずっとずっと僕の方が沙羅ちゃんを想ってる」
「もう良い加減自信持ちなよ、そんなんじゃ立派なパパにはなれないよ?」
「沙羅ちゃんだってどれだけモテると………えっ?」
「ん…?なに…?」
面白いほどフリーズしてて動画撮りたいくらい。
豆鉄砲食らったみたいな…?
「え、今……沙羅ちゃん何て言ったの?」
隣に置いてあったバックから取り出した。
ハイ、と差し出した一枚のエコー写真。
「え?え?これって………」
「うん、だね?どうやらそうみたい」
泣くのかなって思ったら「やったー!」と大声で叫び私を抱き締めた。
「あ、でもまだ10週目で安定期入るまでは安心出来ないよ?」
「うん、うんうんうん…!でも今、居るんだよね?ここに…」
「そうね、どうしよう?さっきから堪らなく愛おしいの」
膝まついてお腹にキスをする。
凄く嬉しそう。
避妊……気をつけてたけど、少し前にお風呂でした時…だよね。
思い当たる節がある二人は顔を見合わせて微笑んだ。