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不誠実なカラダ
第3章 嫉妬じゃない、悔しいのよ
私はいつだって、尚太の前が好き。

そこに座ると、気持ちが落ち着く。

「今日は何にする?」

「尚太が決めて。」

尚太は、大きく深呼吸すると、こう答えた。

「じゃあ、ジンライムは?」

「いいわね。」

尚太は、私の前でジンライムを作り始めた。


尚太が決めたカクテルを、そのまま飲み干すが好き。

体の中を、その人でいっぱいにするようだからだ。


「はい。」

「ありがとう、尚太。」

尚太にとっては、私はお客の一人であって、作るカクテルは、何百種類の中の、一つかもしれない。

でも、それがいい。

それが、私の心を満たしてくれる。

案の定、飲みやすい口当たり。

私は、ジンライムを飲み干すと、目を瞑ってしばらく、”尚太が決めてくれたカクテル”を、楽しんだ。


その時だった。

奥のドアから、よく知った顔が、出てきた。

「えっ?心?」

私の疑問を聞いた尚太は、ハッとして私の視界を遮った。
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