この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
フレックスタイム
第8章 ようやく披露宴
退院した翌日、
いつもの美容院に行って、
ベリーショートにしようとしてスタイリストさんに止められた。
「秘書っぽくないですよ?」ということだった。
でも、髪を洗うのも乾かすのも大変なのは判っていたので、
手櫛で自然乾燥しても整うショートヘアにして貰った。
「シャンプーは、毎日でも1日おきでも、
会社帰りにいらしてください。
遅くてもお店、開けておきますから」と言っていただき、
有り難くそうさせて貰うことにした。
帰宅すると、翔吾さんの方が驚いていて、
ケンは、
「マミー、可愛くなったね?」と言ってくれた。
「あのさ…
披露宴とかするけど…?」
「大丈夫よ。
スタイリストさんが可愛くしてくれるわ。
和装なら鬘だし。
それとも長い髪が良かった?」
「いや。
似合ってるよ。
凄く素敵だよ」と言って、
耳朶にキスをすると、
「ショートヘアにしたなら、
ピアスかイヤリングが必要かな?」と言う。
「イヤリング、頭が痛くなるから苦手です」
「じゃあ、ピアスは?」
「えっ?
なんか怖いですよ?
耳に穴を開けるなんて…」
「病院でやって貰えば良いんじゃない?
嫌だったら良いけど、
母さんなんて、60歳で開けてたよ?
ピアスなら落としにくいからって」
「そうなの?
じゃあ、挑戦してみようかしら?
厄祓いにもなるかもしれないしね?」
翌日、会社の近くの病院で、
ピアスの穴を開けて貰った。
暑い時期は化膿しやすいと言われたけど、
ちょうど手の傷の為に薬を服用してると言ったら、
「だったら大丈夫ですね?
とにかく、毎日清潔にしてください」と言われた。
ピアスを撃ち込まれる時は、
結構な衝撃があったけど、
手の傷に比べたら大したことはなかった。
手の甲が思いの外、深く切れていることで、
薬指が思うように動かない気配はあった。
抜糸は終わっても、
かなりグロテスクな状態には変わらなかった。
利き手でなかったことに感謝しつつ、
リハビリもしていくことになった。
手の傷を負った件については、
伊藤室長にだけは翔吾さんから話をしたようだった。
更に阿部さんから、
少々大袈裟に、
私が阿部さんを庇ってカッターを食い止めて怪我をしたという話もしていたようだった。
伊藤室長からの引き継ぎも順調だった。
そして、水着を着る機会もないまま、
夏は終わっていった。
いつもの美容院に行って、
ベリーショートにしようとしてスタイリストさんに止められた。
「秘書っぽくないですよ?」ということだった。
でも、髪を洗うのも乾かすのも大変なのは判っていたので、
手櫛で自然乾燥しても整うショートヘアにして貰った。
「シャンプーは、毎日でも1日おきでも、
会社帰りにいらしてください。
遅くてもお店、開けておきますから」と言っていただき、
有り難くそうさせて貰うことにした。
帰宅すると、翔吾さんの方が驚いていて、
ケンは、
「マミー、可愛くなったね?」と言ってくれた。
「あのさ…
披露宴とかするけど…?」
「大丈夫よ。
スタイリストさんが可愛くしてくれるわ。
和装なら鬘だし。
それとも長い髪が良かった?」
「いや。
似合ってるよ。
凄く素敵だよ」と言って、
耳朶にキスをすると、
「ショートヘアにしたなら、
ピアスかイヤリングが必要かな?」と言う。
「イヤリング、頭が痛くなるから苦手です」
「じゃあ、ピアスは?」
「えっ?
なんか怖いですよ?
耳に穴を開けるなんて…」
「病院でやって貰えば良いんじゃない?
嫌だったら良いけど、
母さんなんて、60歳で開けてたよ?
ピアスなら落としにくいからって」
「そうなの?
じゃあ、挑戦してみようかしら?
厄祓いにもなるかもしれないしね?」
翌日、会社の近くの病院で、
ピアスの穴を開けて貰った。
暑い時期は化膿しやすいと言われたけど、
ちょうど手の傷の為に薬を服用してると言ったら、
「だったら大丈夫ですね?
とにかく、毎日清潔にしてください」と言われた。
ピアスを撃ち込まれる時は、
結構な衝撃があったけど、
手の傷に比べたら大したことはなかった。
手の甲が思いの外、深く切れていることで、
薬指が思うように動かない気配はあった。
抜糸は終わっても、
かなりグロテスクな状態には変わらなかった。
利き手でなかったことに感謝しつつ、
リハビリもしていくことになった。
手の傷を負った件については、
伊藤室長にだけは翔吾さんから話をしたようだった。
更に阿部さんから、
少々大袈裟に、
私が阿部さんを庇ってカッターを食い止めて怪我をしたという話もしていたようだった。
伊藤室長からの引き継ぎも順調だった。
そして、水着を着る機会もないまま、
夏は終わっていった。