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そぶりをやめて
第17章 190日
ひんやりした汗が顔を伝って、目が覚める。

いつの間にか、布団を被って汐里と背中合わせに眠っていたようだ。


振り返って様子を伺うと、汐里も寝息を立てている。

汗と唾液とモロモロでシャワー浴びたいし。
喉も乾いたし。
そっとベッドから這い出る。

足に力が入らない。
そういえば、お腹がめちゃくちゃ空いた。

今何時だ?

スマホを棚の定位置から取り出す。

もう朝と言うより、お昼のが近い。
1時間以上眠っていたようだ。

とりあえず、シャワーを浴びて。
いつもなら、適当な野菜を入れた味噌汁を作る。
というか、それしか作れない。

ここ数日家から出てなくて、買い物にも行ってないし。
汐里の実家から野菜を貰うことが多いのだが、それもちょうどなくなってる。
昨夜、冷蔵庫のものをあらかた使い果たした事を思い出す。

今度、義兄が中心となって開店するカフェの試作ハンバーグは、いくつか冷蔵庫にあるのはあるけど。
昨夜も食べたし。朝からまたハンバーグというのもどうだろう。

パスタや素麺などのストックはあるが、具となるおかずがないし。
米をこれから洗って仕掛けても、時間がかかる。

かといって、配達してもらうような、こってりしたものは食べたくないし。


パンでも、買いに出るか。

そういえば。
駅の方に美味しいベーグル店が出来たって、若い子たちが言ってたっけ。

チャリで駅まで15分ほどだから、なんとか行けるか。


「汐里。ちょっとベーグル買ってくる」
「んー?うん。...ベーグル?」

佳佑からベーグルなんて言葉が出たのが意外そうに、体をひねってこちらを向く。
枕の位置を調節して抱き抱えるようにする姿が、すこぶる気だるそう。
佳佑が手を伸ばして枕を動かすのを手伝う。

「寝てて。スグ帰るから」
「...うん。ありがと」

柔らかく微笑む顔に、自然と触れてしまう。
すぐ出かけるつもりだったのに、離れ難い。

汐里の頬を撫で、乱れた髪を耳にそっとかける。
そんな佳佑の指の動きを、汐里も気持ちよさそうに受け入れてる。

「何が食べたい?」
「えー。何があるの?」

そう聞かれて、言葉につまる。

「...ベーグル?」
「ぐふっ。そりゃ、そーでしょ」

聞いときながら、メニューなど一切知らないことを思い出す。
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