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そぶりをやめて
第22章 3815日
安心した佳祐が、汐里の胸の上に顔を埋めるように抱きつく。

「じゃあ、よし」

よし、じゃないし。

キスするのかと思ったのに。

「寝よう」

って、こんなの寝れないし。

そう思ったのが伝わったのか、顔を少し起こしてこちらを見上げた佳祐が言い放つ。

「いつもこうやって寝てるじゃん」

「寝てないわ!」

ずっしりと重いし、何より手が胸を掴んでいる。

こんなの寝れるわけが無い。


「えー。いっつもイっちゃった後スグ寝るから知らないだけでしょ」

手のひらで包んでいただけだったのが、ゆっくりと動き出す。

「っ、ちょ」

頭も、肩も押しのけれないので、耳を掴んで引っ張る。

「いたたた...」
「寝るの!」

いつまで経っても寝れやしない。

「ちぇー」

ちぇーとか、小学生か。

今どきの小学生は使わないし。

耳をさすりながら、佳祐がしぶしぶ前の位置に移動した。

後ろから抱きついてくる。

まぁ、このぐらいなら、いつもしてるかもしれない。

払い除けないので、安堵したのか、佳祐が顔をよせてくる。

「おやすみ...」「おやすみ」

いつもの唇が軽く触れるキスをして、やっと静かになった。


静かになると、本当に驚くぐらいすっと眠りにつく。


耳元で、また佳祐が何か言ってる。














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