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そぶりをやめて
第22章 3815日
佳祐が大きなストロークで動くに合わせて、汐里も腰を幾分か動かして迎える。

「は...。イイね。エ...ッロ...くて、ヤバい」

耳元で微かに囁く声で余計にぞくぞくして、無意識に腰を早めてしまう。

逆に佳祐の動きは止まってしまった。
そのまま上体を起こして、汐里の腰を引き寄せるように持ち上げる。

指が太もものあたりを僅かに撫でるだけで、佳祐の腰は動く気配がない。

完全に浮き上がった下半身を、汐里の方から押し付けるように動かしてゆく。

「っん...、あ...っ。あっん」

動かないものの、佳祐の指先が太ももから滑らかに移動し、胸の上を滑り、その先を弄る。

自ら腰を動かし体を揺らし喘ぎ続ける汐里のことを、嬉しそうに眺めているようだ。


気持ちいいけど、もっと欲しい。

十分すぎるほどヤりまくったのに。
体がもっとを求めている。

自分だけでは、到底到達し得ない。

「っ...んっ...ね、佳祐。...んっ、動いてっ」

そう言うのを待っていたのか、一生懸命動いていた腰を掴んでぐっと力強く引き上げ、同時に腰を突き上げて奥深くを抉る。

「っあ!...っん、あっ、イっ、そこ、気持ちいっ」

弓なりになった体が大きく突き動かされて、欲していた快感が全身を何度も貫く。

「あっ、ああっ。イっ、いいっ。イっちゃう。イっく...」

いつもなら我慢しまくる自分の声が、狭い室内に響いている。
こんな時は、自分の声が自分でないような錯覚になる。

今日は、どんなに喘いでも、心配しなくていいんだった。

快感に震えながら、朦朧とした意識の中でそう思った。


「っ、...は。俺も、イきそ...」

掴んでいた腰を下ろし、全身を痙攣させている汐里を抱きしめながら佳祐が苦しそうにつぶやく。

震えながらも佳祐を抱きしめて、首を縦に振る。

互いの荒い息を感じながらも唇が触れ、舌が交差する。

「...いいの?イって」

そう確認しながらも、明らかにもう腰がラストスパートをかけている。

「汐里...」

耳元で何度も呼ばれて、汐里もなんとか声にならない声で呼ぶ。

「っあ、あっ、けい...あああっ!...けい、っ...ぇ」
「ああっ...」

目の前がより眩しく光って、意識が強く彼方に飛ばされた。
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