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世界で一番身近な女
第3章 カラオケルームにて…
コーラの入ったグラスに持ち込んできたウィスキーのボトルから琥珀色の液体を注ぎ込む。
初めて飲むコークハイという飲み物は飲みなれたコーラの味とは違い、少しだけ大人の味がした。
幼い頃に親父に飲まされたビールはとても苦くて、大人になってもこんなもの飲みたくはないと思わせたけど、コークハイならいくらでも飲めそうな気がした。
そして、少しだけとはいえ、ウィスキーの混じったコーラは確実に僕らを酔わせてゆく。
誰もかれもが顔を真っ赤にさせて、やけに気分が高揚してくる。
いつもなら笑えないジョークでも
なんだか人気絶頂のコメディアンが発したジョークのように聞こえて、みんなは飛び上がって喜び、女子なんてスカートが捲れてパンツが見えてもお構いなしだった。
酔いは無邪気にはしゃぐ気分を少しだけ淫乱にさせてゆく。
やがて親友の大場が目をつけた女子の尻を撫でた。
「いやん」
普段、クラスでは聴いたことのない甘い声で女子が悶えて「今、お尻を触ったでしょ!」とバンバンと大場の背中を叩くが、その叩き方は怒っているのではなく、じゃれているような仕草だった。
なんだか、何をしても許されるような気分になってくる。
そうか、夕べの姉貴はこのように酔っぱらって
僕を襲ってもかまわないって気分になったんだろうな。
じゃあ、今、酔っぱらっている僕も少しぐらいなら何をしてもいいと思ったので、大胆にも乃梨子ちゃんの肩を抱いた。
触れられた瞬間だけ、ビクッと体は跳ねあがったけど、肩を抱いているのが僕だとわかった瞬間、
乃梨子ちゃんは頭を僕の肩に預けて甘えてきた。