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世界で一番身近な女
第3章 カラオケルームにて…

「乃梨子ちゃん、お待たせ
送っていくよ。帰ろうか」

乃梨子ちゃんは受付ロビーの待合室のソファーでグッタリしていて辛そうだった。

「帰りたいんだけどね…
景色がグルグル回っていて歩けそうもないの」

顔色は先程よりも赤みが増して
見た目はいつもと変わらない乃梨子ちゃんだけど
酔いがかなり回っているのか歩くのも辛そうだった。

仕方なく僕は、近くの部屋をもう一度取ってあげた。

「そこまでなら歩ける?」

何とか歩けそうと言うので
僕は乃梨子ちゃんを抱き抱えるようにして
その部屋に担ぎ込んだ。

「待ってな、冷たい水を持ってくるから」

ドリンクバーで冷水をコップに入れて乃梨子ちゃんに手渡そうとしたら、上手く飲めないのか
口から水が溢れて胸元がびしょ濡れになった。

「あ~あ…本当に大丈夫?」

おしぼりで濡れたシャツを拭きながら
このチャンスを逃す手はないと
僕は乃梨子ちゃんの胸にタッチした。

「お水、もっと飲んだ方がいいよ
こぼしちゃいけないから僕が飲ませてあげるね」

僕は「これは介抱なんだ。決してスケベ心じゃないんだ」と乃梨子ちゃんに言い聞かせて
コップの水を口に含むと、そのまま乃梨子ちゃんの口にキスをして水を彼女の口の中に流し込んだ。

それをとても美味しそうに乃梨子ちゃんは喉に流し込んだ。

「もっと飲ませて…」

彼女の腕が僕の首に抱きつき
口移しで水を飲ませて欲しいとおねだりした。

「うん、わかった。
酔っぱらった時はとにかく水を飲んだ方がいいからね」

もう一度、口移しで水を与えて上げて
何気なく唇を離す瞬間に舌先を出して乃梨子ちゃんの唇を舐めた。

彼女は嫌がるどころか
僕の舌が唇から離れるのを追いかけるように
ピンク色の可愛い舌を口からチロッと覗かせた。

彼女が何を望んでいるのかは一目瞭然だった。
僕はソファに寝転がる彼女の体の上に覆い被さりながら、今度は口移しという目的ではなく、正真正銘のキスを乃梨子ちゃんと交わした。


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