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世界で一番身近な女
第3章 カラオケルームにて…
乃梨子ちゃんと二人で並んで歩いていると
隣からほのかに女のいい匂いがしてくる。
乃梨子ちゃんは何か話しかけてきてくれたけれど、僕の頭の中は、もう一発でいいから乃梨子を抱くことばかり考えていた。
「ねえ!ちゃんと人の話を聞いてる?」
ああ、とか、うん、とか、
曖昧な返事ばかりを繰り返す僕に乃梨子ちゃんは少々おかんむりだった。
「なあ、乃梨子」
「あのねえ!ちょっと抱かせてあげただけで彼氏づらしないでくれる?」
「ああ、ごめん、悪かった。
なあ、乃梨子ちゃん…帰るまでにもう一発やらせてくれない?」
「はあ?二発も出しておいて、まだ射精し足らないの?
それに、今からホテルに行くなんて面倒じゃないですか」
「あ、ほら、だからさ、そこの公園のトイレで…」
「イヤよ!
どこの誰だかわからない親父が尻を降ろした便器に手を付けっての?
そんなの真っ平ごめんだわ!!」
「あ、じゃあさ、公園のベンチでもいいからさ」
「なに?青姦させろっていうの?
私、一回だけ経験したけど、虫に刺されちゃってイヤな思い出しかないのよ!」
「あ、じゃあさ、じゃあさ…」
「大介くん!いい気にならないでよね!
ちょっとハメさせてあげたぐらいで自惚れないで!
それに、あんたみたいな下手くそとはもう寝ないって決めたの!」
「そ、そんなあ…」
エッチできないのもショックだったけれど、
何よりも下手くそって言われたことで僕は落ち込んだ。
「もっと上手になってからデートを申し込んでくれる?
それに、ちょっと寝たからと言って絶対に学校で彼氏面しないでよね!
いい?約束よ!
もし、破ったら、あんたに強姦されましたって言いふらすから」
彼女の目は冗談ではなく、
マジで僕を遠ざけようとしているのがわかった。
乃梨子ちゃんを送り届けて家に帰り着くと
まだ姉ちゃんは帰っていなかった。
「どこを遊び回ってんだよ!
自分の弟がセックスが下手くそって貶されたんだぞ!
責任もって僕にセックスを上達するようにしなきゃダメだろが!」
むしゃくしゃした僕は
灯りのついていない真っ暗な姉貴の部屋に向かって罵声を浴びせてやった。