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世界で一番身近な女
第7章 母のおま○こ

その日の夜は、夕飯を作る気力もなかったのか、
父の薦めもあってデリバリーの中華だった。

思いの外、両親がラブラブでイチャイチャするものだから大介は腹が立って仕方なかった。

『なんだい!なんだかんだ言いながら
結局は父ちゃんを選ぶのかよ!』

少し冷めた餃子はとんでもなく不味かった。

「レンジで温め直してあげようか?」

母は不味そうに餃子を口に運ぶ大介を見て、
熱い方が美味しいわよと言ってくれたが、
箸で摘まむ餃子が何だか母ちゃんのおま○こに見えてきて、父さえいなければ、この場で母を押し倒したい気分でムラムラしていた。

「姉ちゃんは?」

姉の紗希の分が用意されていないので、
不思議に思って大介は尋ねてみた。

「あの子、今晩は遅くなるんですって…
デートかしらね」

「なに?デートだとぉ!
どこの誰とだ!俺は許さんぞ!」

ビールをがぶ飲みしながら
目の周りを朱く染め上げた父の洋介が文句を言う。

「あの子だって年頃ですからね
彼氏の一人や二人いてもおかしくないわ」

「彼氏が二人いても女は許されるのかよ」

それなら僕も立候補したいと大介は気色ばんだ。

「それは言葉のあやだけど、でも、いろんな人とお付き合いをして人を見る目を養うのは大切だとお母さんは思うのよ」

大介もいろんな女の子とお付き合いしなさい。
母の目は、まるでそう言っているかのようだった。

そんな時、大介の尻ポケットのスマホが震えた。
取り出すと乃梨子ちゃんからの着信だった。
「食事中はスマホ禁止だと言っただろ」父親の洋介が苦々しい顔で忠告する。

「ゲームする訳じゃないよ。友達からの着信なんだ」

大介は席を外して通話をタップした。

- あ、大介くん?ねえ、今からデートしない? -

「うん、行くよ」

ごちそうさまと二階に上がる大介に
「出掛けるの?」と母の希美枝が寂しそうな顔をした。
「うん、友達が大事な用があるらしくて」
声が弾む大介の様子から、女の子からの誘いなんだわと希美枝の表情が曇った。

「夜遊びなんて許さんぞ!」

父が出掛けるのを制したけど「遊びじゃないよ、大事な用なんだよ。ちゃんと門限の9時には帰ってくるよ」と大介は、上着を羽織るために二階に掛け上がった。


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