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世界で一番身近な女
第8章 夜の学校
大介は、自転車に飛び乗って、
大急ぎで乃梨子が待ち合わせ場所として指定した高校の正門前にやって来た。
乃梨子は約束通り正門前にちょこんと座って待っていてくれた。
「ごめん、待った?」
自転車を押して大介が乃梨子に近づくと「遅い!」と言ってプンプン怒っていた。
『こういう時ってさ…
嘘でも、ううん、私も今来たところだからと
見え透いた言葉で向かえてくれるもんじゃないのか?』
そういう気づかいが出来ないのも
よく言えば乃梨子の魅力とも言えた。
「だから、ごめんってば…
これでも、必死にこいできたんだぜ」
「高校生なんだから原付バイクの免許ぐらい取得しときなさいよ」
そう言って乃梨子は正門の片隅に停めてあった原付バイクに股がった。
「で、これから何処へ行くのさ」
まさか、原付バイクで走るから後を着いてこいって言うのか?
僕、体力がもつかなあ…
「裏門に来て、先に行って待っているから」
そう言うと乃梨子は心地よいエンジン音を轟かせて、あっという間に遠ざかった。
『なんだよ!それならそうと最初から裏門で待ち合わせにすればいいのにさ!』
裏門ならば、先ほど通ってきた所だ。
最初からそこで待ち合わせにしてくれればもっと早く来れたのにと、大介は重いペダルをこぎ始めた。
裏門で、乃梨子は待ち構えていた。
「大介くん、ホントに何をさせても遅いのね…
早いのは射精だけね」そう言いながら原付バイクと自転車を近くの薮の中に隠した。
「えっ?ここで何かをしようって言うの?」
青姦させてもらえることをちょっぴり期待したが、以前に、やらせてくれとお願いしたら、虫に刺されるからイヤだと拒否されたはずだけど、と思案していると
「何してんのよ!こっちよ、こっち!」と乃梨子は高校の敷地に張り巡らされたフェンスに沿って歩き始めた。