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蒼い月光~くの一物語~
第12章 朱里の誠の敵討ち

『千代さま・・・
その時は私が前面に出てお相手いたします
どうか・・・どうかお力をお貸しくださいませ』


もとよりこの体を
朱里と共有すると決めたあの日より
命を懸けるのはいとわないと思っていた。

だが剣山殿を心底愛してしまった今となっては
命が惜しい・・・

一日でも長く剣山殿と
愛し合う日々を暮らしたい
そんな思いが強くなってしまった。

『私は決してあやつらには負けません。
お願いです、
どうか私の無念を晴らさせてくださいませ』

乳房に内側からキュウっと掴まれた痛みが走った。


「わかりました・・・
朱理を信じます。あなたとどこまでも
駆け巡ろうではありませんか」

千代は覚悟を決めた。

「忍びの者!!そこにいるんでしょ?」

千代は天井の片隅を睨みつけて叫んだ。

剣山殿は思いのほか
細やかな神経のお方でございます、
千代様にも護衛の忍びの者を
いつも天井に忍ばせております・・・
と朱理がこっそりと教えてくれていた。

「降りてきなさい!」

「いえ、拙者は影の者ゆえ、
姿を現すことは憚(はばか)りまする・・・・」

自分は天井裏から
私たちの愛の行為を盗み見してるくせに、
なんと都合のよいことを申すか・・・


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