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蒼い月光~くの一物語~
第13章 決戦!
千代は、大急ぎで正室の間に戻ると、
打ち掛けを脱ぎ捨て、帯を解きはじめた。
「兵吉!降りて参れ!!」
兵吉も只今臨戦の時が来たのだと
感じ取ったのだろう、
天井の板を一枚ずらして音もなく飛び降りてきた。
衣装はすでに黒装束に着替えていた。
「兵吉‥‥鎖帷子を着せておくれ」
兵吉が用意してくれた鎖帷子は
背面で絞るタイプだったので
着用には人の手助けが必要だったのだ。
「ごめん!」 断りをいれて兵吉は手を伸ばした。
天井裏からいつも眺めていた白い素肌‥‥
指先がかすかに肌に触れる、
その手触りはまるで絹のように滑らかで
何とも言えぬ心地よさを与えた。
「きつくございませんか?」
「大丈夫です」
涼やかな声が鼓膜をくすぐる‥‥
「ほころびなどないか改めさせていただきます」
なにぶん使いこんだ代物ゆえ、
ほころびがないとも限りませぬ‥‥
そんな理由をこじつけて
兵吉は千代の体を目で舐め回した。
「ごめんつかまつる」
非礼を述べて千代の体の前に回り込んだ。
小ぶりな乳房が帷子の編み目に食い込んでいた。
編み目の隙間から
薄い桃色の乳頭が顔を覗かせている。
ゴクリと生唾が出てしまった。
見事な体‥‥
山賊などに、このお体に指一本さえ
触れさせてはならぬと心に誓った。