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未亡人下宿~お部屋、貸します~
第4章 もう一人の下宿人、木下くん
その夜は悶々として眠れません。

不動産仲介業者の男に
気絶するほど逝かされたのも遠い昔のようで、
私の心は臼杵君に逝かせてもらえなかったという残念な気持ちで一杯でした。


少し頭を冷やさなきゃ…

私は夜風に当たるつもりで、
素っ裸の上にガウンだけ羽織ると
玄関を出てみました。


『私って、こんなに淫乱な女じゃなかったのに…』

そういうふうに自分を叱っても、
セックスに目覚めた躰はどうしようもありません。

『サイトでバイブでも購入しようかしら…』


そんなことを考えているうちに、
1台のミニバイクが近づいてきました。


ミニバイクは私の前で止まり、

「大家さん、こんばんは」と
運転していた男性が声をかけました。

もう一人の下宿人、木下太郎くんでした。


「あら!今、お帰り?」

「ええ、居酒屋のバイトが終わって帰ってきました」


彼はエンジンを切るとヘルメットを脱ぎました。

彼は大学に入学したての18歳。

まだまだ顔にあどけなさが残ります。



夜遅くまで大変ね

そんな言葉を投げかけながら、

「そうだ!夕飯は食べてきましたか?」

と聞いてあげると、

「いえ、早く帰ってこないと
銭湯が閉まっちゃうんで
とりあえず、
まかないにも手をつけずに帰ってきました」

そんなふうに私が望む答えを
彼は言ってくれたのです。

「ちょうどよかった。
チャーハンの用意ができてるの。
よかったら食べてくれない?」

そう提案すると「是非!!」と、
尻尾を振る子犬のような目つきで喜びました。
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