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JOY(濡れる女医)
第9章 処女を奪った男
「ここ、空いてますか?」
講義が一段落して休憩時間になったときに
奈美は声を掛けられた。
「あ、はい。空いてます。どうぞ…」
奈美は慌ててテーブルに散らかしていた資料を
自分のスペースにまとめた。
男は隣の席に「よいしょ」と着席しながら
久しぶりだねと話しかけてきた。
「?」
誰だったかしら?と記憶を辿っていると
「おいおい、君の最初の男の顔を
忘れちまったのかい。
前川だよ、前川光太郎」
と記憶を呼び覚まされた。
そうだった!
同じ大学で目立たない存在だったヤツだ。
国家試験に合格したあの日、
みんなと祝杯をあげ、
酔いつぶれた奈美をお持ち帰りして
バージンを食い逃げした男だ。
「その節はどうも…」
どう挨拶していいかもわからず
奈美は当たり障りのない言葉を投げた。
初体験の相手なのだから
喜色満面で再会を喜んでくれるとでも思ったのか
「つれない返事だなあ」 と、
なれなれしく会話を続けようとした。