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FREE BIRD
第53章 雪の嘘
待合室の長椅子に二人で腰掛け、治療とオペを待つ。


コチコチと時計の音だけが耳についた。


「健太君のご両親ですか?」


「「はいっ」」


看護師の言葉に二人して反応した。


「出血が酷いので輸血をしたいのですが、ご両親のどちらかABのrh+ではないですか?」


「AB型?」


僕は思わず聞き直した。


「健太はA型じゃないんですか?」


「いえ、AB型です」


僕は身体から血の気がさああっと引いた。


何故なら僕はO型で、雪はA型だからだ。



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