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愛の隠れ家
第1章 パートタイマー
いくら計算しても家計は火の車だった。
中山愛子は家計簿を見つめてため息をついた。
景気のいいときに
マイホームを購入したツケがまわってきたのだ。
主人のサラリーは年々減少してゆく…
ローンでボーナス月の支払いを
大きくしすぎたのだ。
まさかこんなに不景気が続き、
ボーナスが半減するとは思ってもみなかった。
『このままではいけないわ』
スーパーのパートよりも
歩合のよい仕事を探さなければ‥‥
夫の誠司は中間管理職として
神経をすり減らしていた。
最近はやつれてきて夜の営みさえもさっぱりだった。
少しは家計を助けて
夫に活力を取り戻させて
夜の営みにも頑張ってもらわないと…
愛子はパソコンを立ち上げて、
求人情報を覗いてみた。
どれもこれも似たような時給だった。
いっそ風俗に身を委ねようかしら‥‥
ふとそんな考えが頭をよぎった。
ご無沙汰の夜の営みからくるストレスも
解消されて一石二鳥かもしれないわ
いや、ダメだわ。
こんなに狭い街だもの、
知り合いが客として来ないとも限らない‥‥