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TRUE COLORS ~PURPLE~
第7章 Second contact
Narcissus
ナルキッソス
ナルキッソスは生まれた時、占い師に
「彼は長生きするだろう。自分の美しさに気付きさえしなければ。」と言われます。
彼は信じられないくらい美しく、会った者は誰でも(男でも)、
たちまち彼に恋をしてしまうのです。
しかし、ナルキッソスは自分以外には興味を持たない人でした。
エコーは狩の女神アルテミスの美しい妖精のひとり。
彼女すごくおしゃべりな妖精でした。
ある日、浮気ばかりをする夫ゼウスを探しに、
彼のお妃ヘーラーが、妖精たちのところにやってきました。
エコーは、ヘーラーの質問に自分だけが答えて、
他の妖精たちをヘーラーの質問から解放します。
それに気付いたヘーラーはエコーに対し大変怒り、罰を与えました。
「おしゃべりな舌はもう使えなくしてやろう。
もうおまえから最初に口をきくことはできぬ。
だが、相手と同じ言葉を応えることだけは許してやろう!」
ある日、エコーは、森の中で大変美しいナルキッソスという青年を見かけました。
彼が狩りをして、泉で休んでいたところを見たのです。
彼に一目惚れをしたエコー。
でも、ヘーラーの罰を与えられているため
自分から話しかけることができません。陰で見ているしかできないのです。
ある時、ナルキッソスは山で道に迷い、友だちとはぐれてしまいました。
ナルキッソスは、大声で友だちを呼びました。
「おーい、どこへ行ったんだ?」
エコーが、同じ言葉を返します。
「おーい、どこへ行ったんだ?」
それを聞いたナルキッソスが、答えます。
「わたしは、ここだよ」
するとエコーが同じ言葉を返しながら、ナルキッソスの前に飛んでいきました。
「わたしは、ここだよ」
ナルキッソスは、同じ言葉を言うエコーに驚きました。
「誰だ、お前は?」
「誰だ、お前は?」
「どうして真似をする」
「どうして真似をする」
「真似をするな!」
「真似をするな!」
「だまれ!」
「だまれ!」
エコーの同じ言葉しか返してこないことに腹を立てたナルキッソスは、
エコーをにらみつけてどこかへ行ってしまいました。
ナルキッソスに嫌われてしまったエコーは、
泣きながら森の奥深くに隠れました。
ナルキッソス
ナルキッソスは生まれた時、占い師に
「彼は長生きするだろう。自分の美しさに気付きさえしなければ。」と言われます。
彼は信じられないくらい美しく、会った者は誰でも(男でも)、
たちまち彼に恋をしてしまうのです。
しかし、ナルキッソスは自分以外には興味を持たない人でした。
エコーは狩の女神アルテミスの美しい妖精のひとり。
彼女すごくおしゃべりな妖精でした。
ある日、浮気ばかりをする夫ゼウスを探しに、
彼のお妃ヘーラーが、妖精たちのところにやってきました。
エコーは、ヘーラーの質問に自分だけが答えて、
他の妖精たちをヘーラーの質問から解放します。
それに気付いたヘーラーはエコーに対し大変怒り、罰を与えました。
「おしゃべりな舌はもう使えなくしてやろう。
もうおまえから最初に口をきくことはできぬ。
だが、相手と同じ言葉を応えることだけは許してやろう!」
ある日、エコーは、森の中で大変美しいナルキッソスという青年を見かけました。
彼が狩りをして、泉で休んでいたところを見たのです。
彼に一目惚れをしたエコー。
でも、ヘーラーの罰を与えられているため
自分から話しかけることができません。陰で見ているしかできないのです。
ある時、ナルキッソスは山で道に迷い、友だちとはぐれてしまいました。
ナルキッソスは、大声で友だちを呼びました。
「おーい、どこへ行ったんだ?」
エコーが、同じ言葉を返します。
「おーい、どこへ行ったんだ?」
それを聞いたナルキッソスが、答えます。
「わたしは、ここだよ」
するとエコーが同じ言葉を返しながら、ナルキッソスの前に飛んでいきました。
「わたしは、ここだよ」
ナルキッソスは、同じ言葉を言うエコーに驚きました。
「誰だ、お前は?」
「誰だ、お前は?」
「どうして真似をする」
「どうして真似をする」
「真似をするな!」
「真似をするな!」
「だまれ!」
「だまれ!」
エコーの同じ言葉しか返してこないことに腹を立てたナルキッソスは、
エコーをにらみつけてどこかへ行ってしまいました。
ナルキッソスに嫌われてしまったエコーは、
泣きながら森の奥深くに隠れました。