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TRUE COLORS  ~PURPLE~
第12章 It's all right. 1

「社長!もう大丈夫なんですか?」

社長室に向かう社長の姿を追い、そう声を掛ける。

社長室のドアを開けながら、こちらを見てほほ笑む、社長。

「ああ、もう大丈夫だ。心配かけたな。桜井。」

そう言いながら自身のオフィスに入っていく社長の後を追い、俺も次いで入っていく。

ジャケットを脱ぎハンガーにかけロッカーに入れ。

俺に、向き直る。

「その後、進み具合は?」

デスクに就き、内線でコーヒー2つをオーダーする。

そんな社長の様子を観察しながら進捗状況を報告する。

やつれたな。社長。

「そうか。」

進捗報告を聞き、俺を見上げて社長が俺に

「このプロジェクト、お前が中心になって進めろ。」

と言われ驚愕する。

「社長!」

抗議の声を上げる俺を、手を上げ遮る。

「何も、俺がすべて撤退すると言ってるわけではないんだ。」

「でも!」

最後まで聞け、と遮られる。

「プロデュースは、する。」

デスクに両肘をつき両手を組む。

俺を見る目はもうこれは決定事項だと告げている。

「そろそろお前も、これくらい大きいプロジェクトの運営を取り仕切る時期だろ。」

フと目が笑う。

「ドレスデザインも問題ない。コラボ商品のデザインもいい。

 何も問題はない。後は創り上げていくのみだ。お前なら難なくこなせる。」

何かを避けようとしている?

そう感じた時だった。

「その間、俺はモデル発掘をしていく。」

なんだって?

「このプロジェクトであがる衣装は20点以上ある。

 うち、夕凪だけの分を差し引いても15点。」

椅子の背もたれに背を預けながら続ける。

「ウチの今の専属の中で今回のカラーを活かしきれるモデルは数名だ」

大きくため息をつく。

「早急にこちらも進めなければならない案件だ。」

「ですが。」

「桜井。お前がいてくれるから、俺がこちらにかかれるんだ。」

問題はないだろう?とそう問われた時コーヒーが運ばれて来たので、

オフィスの応接セットの方で話をすることになった。

ゆったりとソファに身を沈めながらコーヒーを飲む社長を、じっと観察してみる。

何かから決別しようという意思を感じる。

やつれた印象を最初は感じていたが、

今はこそげ落として来たという感じの方がしっくりくる。

なんだろう。こそげ落として来たものって。

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