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漏らしちゃったの?
第4章 診察と検査
祈りは祈りでしかなくて。

というかわたしは、内診台の上で何に祈っているのだろうか。

ともかく、早く終われという感情以外、何者も入り込む隙が無い。


「んーと、陰洗も終わったし……これから、検査の説明するね」

そう、検査はこれからなのだ。
嶋池先生はわたしの下半身にタオルをかけてから、カーテンを開いた。

タオルをかけても恥ずかしさはちっとも減らない。

嶋池先生は淡々とした口調で説明していく。


「まず、尿道から特殊な液体を注入して、空っぽになっている膀胱を液体で満たしていきます」

最初から、言ってる意味がわからない。
怯えと混乱を表情に出すと、嶋池先生はゆっくりと説明した。

「つまりね、おしっこを出す穴から、液体を入れていくのね」

「……なんのために……?」

「液体を入れている間に、青凪さんの膀胱の筋肉がどれだけ働いているかとか、どれくらい尿を溜めておくことができるのか、調べていくよ」

想像しただけでつらそうな検査にため息をつく。

「それで、限界がきたら、この場でその液体を排出してもらいます」

「え、それってつまり……」

「ここでおしっこを出すような感じだね」

「……このまま?」

「このまま。排尿している間も、お腹の動きとか筋肉の様子を記録として付けるからね」

つまり、M字開脚のまま、おしっこを、先生の前出漏らさないといけないのだ……。

考えただけでくらくらして、また涙がでそうになる。


「青凪さん、頑張ろう」

首を横にブンブン振ったけど、受け入れられる様子はない。

カーテンが再び閉まり、足にかけられたタオルをとられる。


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