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短編集 一区間のラブストーリー
第17章 第十七話
ツイテナイ… まったくもってツイテナイ…
昨夜は美人CAたちとの合コンの予定だったのに
ウキウキとしてマンションをでたところで転んでしまい
右足をおもいっきり捻挫してしまった。
けっこう激しく挫いてしまい歩くに歩けない。
捻挫ごときで入院させてもくれず
「しばらくは安静にしてくださいね」と
冷たい言葉をかけられて 家に帰された。
俺はKO大学の2回生
KO大学というのは、
いわゆるおぼっちゃま大学だ。
自宅から通学するには少し遠いという理由で
俺は親のスネをかじって学校の近くのマンションを借りて 一人暮らしだ。
一人暮らしは気楽だが
こんなときは身の回りの世話をしてくれる人がいないので困る 。
KO大学の学生といえども
全員がモテる男とは限らない
かくいう俺も彼女と呼べる親しいGFとは無縁だった。
こうなりゃ口うるさい母親にでも頼むかと連絡したところ
『お母さんだっていろいろ忙しいのよ あ、そうだ。家政婦さんを頼んであげるから。
ね、それでいいでしょ』と
冷たくあしらわれた。
俺は「市原悦子」みたいなおばさんを想像した。
まあ、いいか。
母親に来てもらっても似たようなものだ。
とにかく来てくれたら何か食い物を用意してもらおう
昨夜から何も口にしていなので腹ペコだ。
その家政婦は夕方にやってきた
朝早くに母親にSOSを発信したのにまったく遅いじゃないか!