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離島性体験 〜M男君〜
第2章 1986年に5月に起きた悲劇
「誰にもわからない。」

先生は声が少し震えていた。


「先生・・僕は正しいですか?」


卓郎の口が塞がれた。先生の顔が近くて鼻があたる。卓郎から出てくる邪気をすいとるように唇を重ねたままの体制で二人は座っていた。


柔らかい唇が離れると見つめあって先生は首横に降った。

「私にはわからない。」

その声を聞いて卓郎はまた先生の胸の中に抱きしめられた。

「抱きしめていいよ」

先生の胸を隠してるボタン、白いシャツ、谷間の凹凸に卓郎は涙の染みをつけて先生のシャツを汚していた。その視界は暗くて暖かかった。




先生は卓郎を助けた。親殺し。そのキーワードに押しつぶれそうになっていた卓郎を支えてくれたのは彼女だった。


「15:49、死亡が確認されました」


卓郎は祖父と祖母、4人が泣いている姿を見て言った。

「ごめんなさい。」

祖父と祖母に謝ると理解のできない方言であやされた。卓郎の視界には両手を重ねた祖母の手、泥が染みて固くてシワが深かった。



そして火葬場のボタンを両親の祖父と祖母と僕の三人で押した。

さよなら、父さん、母さん。

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