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Kiss Again and Again
第7章 甘い生活

 夏休みになり 海は 内定をもらった会社での研修を兼ねたセミナーに 自主参加するという。 2週間は名古屋だと言っていた。
 週に何回も逢っていたから 寂しかった。 近くにいない、 逢いに来てくれることもない。 その事実に打ちのめされる。改めて 海は大きな存在なのだと思い知らされた。

 夏休みのほとんどを 実家で過ごした。 おかあさんに思いっきり甘え 料理を教わったりした。 恋しい人がそばにいない緊張感のない生活は 読書には最適だった。

 同窓会で 安部周人くんに 会った。 
 岩田くんやバスケ部の人たち かってのクラスメート 沢山の人たちに囲まれていた。 わたしとの接点は ない。
 岩田くんが わたしに はにかんだ様に笑って ぺこりと頭を下げた。 わたしも笑って会釈を返した。 かろうじて 岩田くんが接点かな?

 安部周人くんは 変わっていなかった。 背が少し伸び 顔の骨格がくっきりとし 体つきもがっしりした感じにはなっていたけど 変わっていない。
 安部くんって まるで 初夏の陽ざしのよう。 五月の新緑の葉の間から 零れ落ちてくる木洩れ陽のようにキラキラしている。 まぶしくて 温かくきらめき 正しく 尊い。 触れることのない存在だけの人。

 「加奈子ぉ 元気?」
 大沼さんとは 別れたのかなぁ。。。
 相変わらず 声に その姿に どきどきする。

 恋人がいても 初恋は べつ?

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