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Kiss Again and Again
第8章 それから

 海は 満たされた優しい目で見おろしながら ゆっくり前後した。 その濡れた髪に指を入れると 傷口を手当し終わった後のような慈しみが湧いてきた。 

 目を閉じると いつか観た映画のワンシーンだろうか、 おぼろげな映像が浮かぶ。黄金色の麦穂の中にいるような。 自分より背の高い黄金色の麦穂を両手で掻き分け,掻き分け もどかしいほどゆっくり前へと進む。 進み続けると 黄金色が 次第に濃くなり まぶしいくらいに・・・ 輝く。 目が眩む。

 目を開けると 海が深い瞳に欲情をにじませ 見おろしていた。
 愛しさに 頬に触れずにはいられない。

 今 あなたのもの・・・


 「あゆ・・・ 一緒に いこう・・・」
 今度は 頷くことができた。

 海は より深いところに到達しようと 激しく 突き上げる。
 お尻を掴む手が 痛いほど くいこむ。
 エアコンで すっかり乾ききったはずの肌が しっとり汗に覆われ ぶつかるたび ぴたぴた音を立てる。

 耳元で 何度も何度も「いい?」と繰り返す。
 その度 「あぁぁ・・・ いい・・・」

 あなたは・・・?
 あなたも 気持ちがいいの・・・?



 名前を呼ばれた・・・ 愛してる、と聞こえた。



 

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