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Kiss Again and Again
第9章 高梨さん

 高梨さんから 東京で着物の展示会があるから 3日間の予定で上京すると 連絡があった。

 高梨さんに 逢える!


 去年 「おとん 死んだ」というラインが届いた。 少し 泣いた。

 それから おかあはんが社長になり 染色だけの会社から 高梨さんが跡を継いだ時にやりやすい体制へと色々試行錯誤している、というようなことは ラインのやりとりで知っていた。
 初めて 東京での着物の展示会に参加するらしい。

 初日に 展示会のあるホテルのロビーで 待ち合わせの約束をした。
 2年半ぶりに逢える。 嬉しくて 前の日から そわそわして 何も手につかない。

 ホテルに向かいながら つい走り出してしまう。 意味もなく 駅の階段を 駆け上がったりしてしまう。 嬉しくて 嬉しくて 身体が 跳ねだしそうだった。 そんなせいで 約束の時間より 随分早く着いてしまった。

 ホテルの回転扉を抜けると ラウンジに置かれているソファの肘掛けに寄りかかるように立っている高梨さんを見つけた。 待ち合わせの時間より30分も早い。
 柿渋色の結城紬を はんなり着て こちらをみている。 笑った。 ぞくり、とするほど 美しい。 思い出の中より ずっと 美しい。

 「走ってきたんか?」

 そうよ。 逢いたかったから。

 むしゃぶりつきたいのを我慢して 頷くと
 「あほやなぁ」

 そうよ。 その声が聞きたかったの。
 自分だって 時間前から 待っていたくせに。

 「愛美ちゃん ひっさしぶり。 またきれいになったなぁ」

 そうよ。 その笑顔が見たかったの。

 だいすき。

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