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Kiss Again and Again
第11章  兄 妹

 「レインボーブリッジの夜景は 見たことある?」
 運転席の樹さんが 柔らかい明るい声で訊ねる。
 「いいえ。 きれいでしょうね」
 「きれいだよ。 世の中 捨てたもんじゃないと思えるくらい きれいだよ」
 「ありがとうございます」


 「なかなかのイケメンくんだね。 正直 かなわないかも、と弱気になったよ」
 「えっ?」
 「多分 あの男だと思う。 こんな時間に スーツ着てマンションから出て行く人は そんなにいないから。 普通 帰ってくる時間でしょう?」

 海のこと?

 「僕には じゅん、という強い味方がいるからね」

 そっかぁ・・・ 今日のこと じゅんから聞いたんだ。

 「あっ・・・ 電話は 勝手に 僕が盗み見して登録しておいた。 いつか役に立つかもしれないと思って。 結構 早かったね」

 なんか そんな風に あっけらかんと言われると 怒る気になれない。
 樹さんの隣にいると 自分が 弱々しくて無力なのを 恥なくていいのだという気持ちになって 楽になれる。


 今日の樹さんは いつもと違い 言葉すくなだ。 それなのに 隣にいるのは 心地いい。 そのまま 眠ってしまったみたい。

 目が醒めると 車は どこかの駐車場のようなところに停まっている。


 「目が醒めた?」
 「ごめんなさい・・・ 眠ってしまって」
 「気が張っていたんでしょう? ここからでもレイボーブリッジは見えるよ」

  フロントガラスには 夜景が広がっている。 レインボーブリッジの向こうには 虹色の観覧車も見える。 こんな特等席が 都内にあるなんて。
 「きれいですね」

 海とクリスマスを過ごしたホテルからも 美しく飾り立てた夜景が見えた。 そんなこと・・・ 今更思い出しても・・・


 「思い出を踏み潰さなくても ちゃんと 今を楽しむことはできるよ」

 なんで・・・ わかるの・・・?

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