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第11章 　兄　妹

　最近のお泊り会の主な話題は　就職だった。　ほのかちゃんは外資系の会社やホテル業界を希望していた。　純子ちゃんは堅実な商社だった。　わたしの映画の翻訳の夢は　現実を前にすると　簡単に崩壊した。　でも二人の話を聞くことは　とても有意義で　わたしなりに取れる資格は　全て取っておくつもりだった。　資格習得には　お金がかかる。　家庭教師のバイトを増やすべきか　迷っていた。

　「あゆ　その後　いじめ攻撃は？」
　「うーーーん　ない」
　「やっぱり　くず男と別れたのがよかったのかなぁ」

　キャンパス内で　飲食できるところには　極力行かないようにしているから　不便ではあるけど　嫌な思いはしていない。

　「ほのは　合コン　やめたんだね」
　「だって　あゆりんのあんなの見せつけられたら　合コン　バカバカしくなるよぉ」
　「ひとりもん、やって　かなりになるんじゃない？」
　「時間を　自分のために自由に使えるから　いいんだけど・・・　そろそろ　それにも飽きてきたかな」
　「じゅんは　どーなのよ？」
　「変わりなく　続いている」

　さすがに　純子ちゃんも　高田講師さんとのことは　ほのかちゃんにも打ち明けていた。

　「不思議だけど　じゅんのような恋人タイムって　熟年夫婦じゃん？」
　「そおぅ？」
　「だって　同じ空間にいて　自分の好きなことだけ別々にして　お互いが満たされる、って　どーよ？」
　「それでも　同じ空間にいることに　意味がある」

　妙に　説得力がある。　ほのかちゃんもそう感じたみたいで

　「ふーーーん。　究極の関係だね」