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Kiss Again and Again
第11章  兄 妹

 マンションには 既に樹さんの車が停まっていた。 どこから電話したの?
 満面の笑顔で 助手席のドアを開けてくれる。

 この人には かなわない。

 「この前 旅行社の人の結婚式のスウィーツを手掛けたんだ。 喜んでもらえたみたいで そのお礼にもらった。
 見てごらん。 部屋には 専用の露天風呂がついていて そこからの眺めが素晴らしいんだって」

 膝におかれたパンフレットを わざとらしく興味なさそうに見てみた。 でも 木々の合間を流れ落ちる滝や なだらかな稜線の山々に沈む夕陽は とても美しい。

 旅行なんて・・・ 高校の卒業旅行以来かも・・・

 「ねっ。 いいでしょう?」

 そして この華やかな笑顔。

 心が動く・・・

 「食事はまだでしょう? 何食べようか?」

 樹さんの髪は 少しぺっとりしているから きっとお店にいたのね。 宿泊券をもらって すぐにこうしているとか?


 車を停められるお店であればどこでもいいかのように こだわりなくお店を選んだ。 でも 樹さんは なかなかいい勘をしていて 意外なくらい美味しかった。
 例のごとく 片っ端からオーダーした料理を 無頓着に一口食べては 「ん?」とその味に驚く樹さんは 善良で稚くて 好もしい。

 樹さんと過ごす時間は 掘り炬燵の中で足をぶらぶらさせているような ありふれているのに特別な時間だった。


 多分 旅行に 心を動かされている。

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