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Kiss Again and Again
第14章 新しい扉

 昼間 歩いてみると 純子ちゃんちの周りの家も 結構大きい。 その中に ぽつりと普通の戸建てが建っていると オトボケのように小さく見える。
 「普通の戸建てが 本来の地主さんみたいなもので 地価が上がったものだから 持っている土地を切り売りして税金払ったみたいよ。 他の豪邸は 地主さんの血肉をむさぼっているようなものね」

 自嘲的に純子ちゃんが言う。
 こんな醒めたようにみえる一面が ”愛されることを必要としていない”表れなのかしら。

 純子ちゃんの家は 独特の匂いがして それが好き。

 大正ロマンの結集のような居間で 三人してケーキバイキングをした。 でもとても食べきれる量ではない。
 純子ちゃんが淹れてくれた紅茶をいただきながら
 「食べ切れなかったケーキ達は どういう運命になるの?」
 「ゴミ箱に直行」
 「えっーーー もったいなぁい」

 ご近所に配るとか、うちの実家だと そんな感じだけど そんなことしないだろうし。 本当にもったいない。

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