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Kiss Again and Again
第14章 新しい扉

 話題が 卒論になった。

 「教授 肺炎だったら どれくらいで復帰されるかしら。 わたし ヘミングウェイにして あの教授に就くつもりだったの」
 「大丈夫? あのじぃーさま 結構厳しいらしいよ」
 「でも 最後に あの教授に就けるなんて 幸運だと思って」
 「私は マーク・トゥエインだから A教授」とほのかちゃん。
 「私は 『非文字』だから B教授かな」 純子ちゃんが言う。
 「はなれちゃうね」
 「他の授業で 時々会うよ」
 「でも 就活もあるし 滅多に会わなくなるね」

 不思議な感じだ。 家族より長く一緒にいて 家族より多くのことを知り合っているのに 進む道が決まると 急に会わなくなる。

 「このまま じゅんが首席卒業だろうな」
 「英会話だけは ほのに敵わなかった」
 「おほほ・・・さよーでございますわね」

 ほのかちゃんのビジネス英語は 教授も絶賛だった。 このふたりは 本当にすごい。 友達として過ごせてよかった。 これからも 友達でいられるのだろうか。

 多分 同じような気持ちになったのだろう。 急に 紅茶をすする音が聞こえるくらい静かになった。
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