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Kiss Again and Again
第15章 クリスマス後

 キッチンに行き 水分補給をした後 ふたつのグラスに冷えた白ワインを注ぎ
 「僕の部屋で 飲もう」
 美しい指を広げて立て ワイングラスの載ったトレイを片手で持ち もう一方の手は わたしの肩を抱く。

 この世慣れたいい男。 こんなに好きになる前に どうして留まることができなかったのだろう? あんなに傷ついて 男なんて真っ平だと思っていたのに。 悲しいのは 自分の愚かさのせいだ。

 トレイをナイトテーブルに置くと グラスをひとつ 微笑みながら渡してくれる。 それから 本棚の下の戸袋からレコードを一枚選び 蓄音機に載せた。 流れ出したのは 思いもかけず最近の曲だった。

 「こんな最近の歌でも レコードがあるのですか?」
 「ないから 作ってもらうんだよ」

 へぇ・・・ 樹さんのそんなところ 好き。

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