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Kiss Again and Again
第3章 ジャズダンス
 目が醒めた。 見えるのは 白い天井。

 個室しか 空いていなかった、とか言っていたけど。 お父さんやおかあさんに気を遣わせているのだろうな。 脳震盪をおこしたので2日間入院するというのは 2泊3日のことだろうか。

 トイレに行こうと起き上がると 側においてある椅子に おかあさんのバッグがあった。 どこかに行ったのかな?
 点滴を引きずりながらトイレを出ると ナースステーションの前が騒がしい。


 おかあさんが 花束を振り回している。
 花束で あの男を なぐりつけている。
 ピンクやオレンジ色の花びらが飛び散り カサブランカの匂いが わたしの立っているところまで する。



 いつも穏やかなおかあさん。
 弟でさえ 「叱られたことがない」というくらい 優しいおかあさん。

 何度も何度も 花束で あの男をなぐっている。

 背中で 「もう二度と来ないでください」というおかあさんの声を聞いて 病室にもどった。

 ベッドにもぐりこむと 涙が出た。

 おかあさんは なかなか戻って来なかった。


 点滴を診にきた看護師さんが 「いいお母さんね」と言った。


 泣きながら あの愛情に応えようと思った。
 こんなこと 乗り越えて あの愛情のために 自分をとりもどそうと決めた。



 それなのに 悪夢は続いた。



 日向さんは 「お酒を飲んだ後 身体を急に動かしたから」のような言い訳をしたと、後から聞かされた。 あの時の日向さんから アルコールの匂いはしなかった。
 アルコール以外の 何か煙たくて咳き込みたくなるような匂いがしていた。
 多分 お見舞いに来てくださった大塚先生には それが何か わかっていたようだ。
 日向さんは スクールを辞めたので できれば また来て欲しい、のようなことを言ってくださった。

 病院に行くことを 大塚先生から止められている青木さんとは ラインで 何度かやりとりをした。 とても心配してくださり 自分が紹介したせいで、と 自分を責めていた。


 穏やかで楽しい生活が 一変してしまった。



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